妖霊星の意味 [八重の桜]
妖霊星とは ようれいぼし と読み、凶事の前兆として現われる妖しい星とされていますね。
幕末に現れたドナティ彗星を見て、妖霊星が現れたと騒がれたという説もあります。
このドナティ彗星ですが、
安政5(1858)年10月10日に最も地球に接近したとされています。
二年後に起きる桜田門外の変の予兆とも言われました。
妖霊星というのは、特定の天体や天文現象をさすのではなく、
大接近した火星や彗星、あるいは超新星など、見慣れないものに対して、
「ばけもの」って意味で使われていたようですね。
小説、映画にもなった「天地明察」にも描かれていましたが、
会津藩は天文学の水準が高く、
藩校にも天文台が、あったとか?
妖霊星は、太平記の「妖霊星」にも採用されています。
北条高時が異形の者たちと踊り狂い、鎌倉幕府の終焉を予見させるという物語でした。
その物語の、あらすじですが
高時は伊賀者たちを追っているうちにその幻術にはまり、
烏天狗が彼を取り囲まいて「妖霊星、妖霊星…」と歌う幻を見る。
そして刀を振り回したあげく気絶して倒れ込んでしまった。
抱き起こす貞顕は沈痛な表情。
混乱の中、高氏は登子の手を取り屋敷へ戻るべく華雲殿をあとにする。
それを追う一人の烏天狗。
当時、夜が乱れるとき「妖霊星」という悪い星が地上に降りてきて天下を騒がすと言う俗信が広まっていた。
その妖霊星の歌を、高氏と登子は聞いたような気がした。
どの時代にも、人々のおそれ
心配事っていうのは
変わらずあるものなんですね。
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